CB750K1 その2

昨日のK1へのSP-TDC取付が予想以上の反響でFとは違いKシリーズの人気の高さに驚かされました。
 
その人気にあやかってK1の点火ネタです。
 
 
ここからの内容はポイント式やガバナ機構を否定するものではなく、個人的な意見での
 
おっさんのウンチクとSP-TDCの凄さを紹介しますのでオヒマな方はご覧下さい。
 
 
 
 
言わずと知れたことですが、CB750K1の点火方式はポイント式ですよね。
 
ポイント式って機械的観念から見れば素晴らしい機構ではないかと思います。♪
 
ポイントがカム山で開いたり閉じたりする事でプラグに火花を飛ばす、
 
しかもガバナ機構で回転数に応じて進角まで制御している、って言うスグレもの!
 
ではなんで今回ポイントからSP-TDCへ変更するかと言うと
 
“調整がめんどう”なのです!ポイントが開いたときの隙間調整が面倒なんですよ。
 
具体的には修理書による基準値が0.3~0.4mmとなってます。
 
その隙間が狂ってくるとイグニッションコイルへの通電時間が長くなったり短くなったりで
 
エンジンの調子が左右されます。下の画像はK1アイドリング時のポイント点火式のIGコイル1次波形です。
 
イメージ 1
 
 
①が1回転で約53m秒なので1000÷53×60=1132rpmでほぼアイドリング回転なのがわかります。
 
②が1次コイルへの通電時間でつまりポイントの接点が閉じている時間が約23m秒です。
 
この通電時間が問題で現在私のFは12m秒になっており数台のフルトラの通電時間を計測しても5~13m秒でした。
 
この通電時間が長ければIGコイル自体が発熱して最悪パンクしてしまうことになります。
 
実際このK1は数年前IGコイルがパンクしております。
 
ではフルトラ並に短く、ポイント隙間を大きくするとアイドリングでは短くなり良いのですが問題は高回転です。
 
ポイントの場合②÷①の比率で通電時間が決まります。
 
上の画像で計算すると23/53=43.4%とドエルアングルが360*0.434=156度となります。
 
高回転時、たとえば7000rpmだったら1000/(7000/60)*0.434=3.7m秒と短くなり通電不足になってしまいます。
 
 
それから、ガバナ進角では決まった進角特性しか出来ず、製造から40年近くたったパーツの精度がわかりません。
 
総括すればポイント点火では低回転では通電時間が長すぎで高回転では短すぎ、
 
ガバナ進角では進角特性の変更が出来ずに精度もイマイチ。ってことになります。
 
 
 
そこで登場するのがSP-TDC。昨日のブログにアップした通り、ポイント部を外してピックアップコイルを取り付けます。
 
このピックアップコイルは点火信号として使用するのではなく、ピストンがどこの位置にあるか感知するクランク角センサーのような働きをします。
 
そのセンサーからの信号をSP-TDCに入力してエンジン回転に応じて設定した通電時間と点火時期を制御します。
 
SP-TDCを装着したK1の点火波形の画像です。
イメージ 2
 
ちなみにこのK1はIGコイルをフルトラ用に交換しております。
 
横レンジの違いですこし比較しづらいですが
 
①の1回転の時間が約51m秒で1176rpm
 
②の通電時間が約15m秒で設定した15m秒で落ち着いているのがわかります。
 
 
回転が上がっても15m秒は維持して1回転が設定時間より短くなったら1回転の半分の時間を通電するような仕組みとなっています。
 
点火時期も約1000rpm毎に自分で設定した角度で点火して、しかもバキュームセンサーやスロポジ等による
 
信号を入力する事で3D進角も出来ます。(まだそこまで進んではないけど)
 
その他にもポイント接点の役目をするスイッチ回路を通常のフルトラと比べると高性能なMOS-FETを
 
採用してあるので1次電圧が高く強い火花がプラグへ供給されます。
 
 
そんな感じでSP-TDCを装着する事がK1が最新の点火システムに生まれ変わるって言うスグレモノなんです。
 
って長々と失礼しました。多分間違った内容もあると思いますがおっさんのウンチクってことでアシカラズ(^^)